satoryuの日記

忘れっぽいから覚えてるうちに書いておかないと。

スクラムフェス大阪2020でLTセッションを担当した。

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6/26、27に開催されたオンラインカンファレンス「Scrum Fest Osaka」で、ハッカーライフラボとしてLTセッションを担当しました。

confengine.com

オンライン開催決定後、ハッカーライフラボを運営している岩切さん*1から

旅するAgile本箱で何か一緒にやりませんか?

というお誘いを頂き、今回の企画に至りました。 たしか今年のデブサミの頃からこういうイベントをしたいという話をしていたのですが、具体的にやる機会を今回得られたのでとても良かったです。

旅するAgile本箱は、翔泳社の岩切さんが始めた活動です。 スクラムを実践する人たちが読むと良い本を、実践者の人たちが選んで集め、それをスーツケースに詰めて一定期間貸し出すというものです。 この本箱に入っている本それぞれには、その本を選んだ人が「勧めたい!」と感じたストーリーがあると思いました。 特に、それは「本から勇気づけられた」といった話なのではないかと私は想像しました。 そこで、本に後押ししてもらったストーリーを話すLTセッションを企画しました。

8人のトーカーと6つのストーリー

こんなLTセッションで話をしたい人なんて誰もいないんじゃないか、と思いつつも、「やってみなければわからない」ということで募集しました。 その結果、8名のエントリー!中には現在のAgile本箱に入ってない本の話もあって、非常にありがたい収穫でした。

セッションの動画は後日ハッカーライフラボで公開するので、是非チャンネル登録をお願いします。

www.youtube.com

トーカーとタイトルについてはこちら。

  1. 「『SCRUM BOOT CAMP THE BOOK 増補改訂版』コラムニスト3人分の学び」, 森 一樹(@viva_tweet_x), 飯田意己(@ysk_118), Koji Sudo(@su_kun_1899)
  2. 「一万年の旅路 ネイティブアメリカンの口承史」, 懸田 剛 (@kkd)
  3. カイゼン・ジャーニー」, 井内 聡(@superSatoshiKun)
  4. 「旅するAgile本箱をシェアして会社の仲間と読んだ体験から得たこと」, 常松祐一 (@tunepolo)
  5. 「チームが「サイロ化」しないための仕掛け(増補版)」, ふかやみわ(@miwa719)
  6. 「未来を変えるためにほんとうに必要なこと――最善の道を見出す技術」, 石井智康

トップバッターは長年愛され続けている『SCRUM BOOT CAMP THE BOOK』。

出版されて7年目の今年に増補改訂版が出版されました。 そのコラムを書いたコラムニストのうち3名が、それぞれの経験から生まれたコラムについて紹介していただきました。この本を読んで感銘を受けた3人が、増補改訂版にあたり、それぞれが歩んできた経験をコラムに込めているのが最高にエモい話でした。

2番手は、アジャイル459トラックでも登壇していた懸田さんが、「一万年の旅路 ネイティブアメリカンの口承史」を紹介してくださいました。

一万年の旅路 ネイティヴ・アメリカンの口承史

一万年の旅路 ネイティヴ・アメリカンの口承史

人類が生まれてどのように移動していったのか、その中で迫られる決断。 1万年前のイロコイ族の人たち生死を伴う判断といった、今我々がおかれている状況と近いようでもあります。懸田さんの発表から一万年前の人々から普段の仕事と対比すると、かなりエクストリームな感じもありますが、とても興味をそそられました。 Amazonだと在庫数が残り僅かだったのですが、このLT直後にごっそり消えて、今確認したら入荷待ち状態。 是非読んだ方々はレポートをお願いします。 懸田さんがこの書籍を紹介しているブログがあるので、こちらもオススメです。 medium.com

3番手のいっちーさんからは、「カイゼン・ジャーニー」から始まるいっちーさんのジャーニーのお話。

いまさら紹介する必要ないくらいに、多くの方が手にとっている本です。 その中の言葉の1つに、

それで、あなたは何をしている人なんですか?

という言葉に考えさせられた人はたくさんいるのではないでしょうか。いっちーさんもその一人。 何もできていなかった自分自身に気づき、社内でスクラムの勉強会を開催したり、部署を超えた活動も始めるなどの行動を起こしています。 さらっと「人生を変えた一冊」とおっしゃっていて、これは著者やこの本に関わっった人たちを泣かせる言葉ですね。

4番手の常松さんのLT「旅するAgile本箱をシェアして会社の仲間と読んだ体験から得たこと」では、旅するAgile本箱を実際に利用したRettyさんで起きたことの話です。 Agile本箱を借りると何ができて、何が起こるのか、ということを話していただきました。 LTで話していただいた内容の一部は、Retty Tech Blogで読むことができます。

engineer.retty.me

本当は弊社はRettyさんの次に借りる予定だったのですが、非常事態宣言などもありキャンセルしました。Rettyさんで行われた社内ビブリオバトルなどの話をきいて、やっぱりまた借りてみようと思えました。

5番手のみわさんのLT「チームが「サイロ化」しないための仕掛け(増補版)」の話は、下記ブログの内容の増補版です。動画を視聴する前に読んでおくとより楽しめます。

miwa719.hatenablog.com

このLTの中で触れている本はこちら。 leanpub.com

「仕掛けの仕掛け」、「心理的安全性はやってこない」や「チームは概念上のもの」など、刺さる話がたくさんありました。最後のオチも素敵でした。「チーム間の情報共有ができてないー」とか言ってるマネージャーの人はじっくりこの話を聞いたらいいんじゃないでしょうか。 いや、ほんと。

トリは石井さんによる「未来を変えるためにほんとうに必要なこと――最善の道を見出す技術」。

誰もがお世話になった石井食品の社長に登壇していただきました。セッションの翌日が株主総会というお忙しい中、ご参加いただけて本当に感謝しています。 この本は民族紛争解決の本です。石井さんは、心が折れそうなくらいに辛い状況になったときの心の処方箋として、この本を使っているそうです。「もっと酷い状況でも頑張っている人がいる」ことを知ることで、ちょっと前まで辛いと思っていた状況が「なんだそんな大変じゃないや」といった気持ちに切り替えられるということです。どんなつらい状況であれ、アパルトヘイト後の南アフリカやゲリラのリーダーが参加するワークショップなんかに比べたら楽勝ですよね。 そして、この本のタイトルにある「未来を変えるために必要なこと」は、「力(Power)と愛(Love)」であると書かれています。実現するために行動する力とバラバラなものを統一させようとする力を表しています。 組織運営においてはどちらも重要という話をされていました。

どの方の話も濃厚な内容で、一人ずつ45分のセッションが組めたんじゃなかったのかな。 でも、「もっと聞きたい」と思わせられたらLTとしては成功だと思うので、このセッションは個人的には成功でした。 だって、少なくとも自分はもっと聞きたいと思ったので。

当日ご参加いただいた皆様、そして何よりもここでストーリーを紹介してくれたトーカーの皆様、大変ありがとうございました。

Scrum Fest Osakaを終えて。

この2ヶ月くらいは、Scrum Fest Osakaに対しては、よく思ったりそうでもなかったりと悶々としていました。 最初にScrum Fest Osakaがオンライン開催すると聞いたときは、とても嬉しかったのを覚えています。 ですが、開催場所のDiscordを覗いてみると、大阪だけでなく様々な地方のトラックが乱立していて、一体何の会なのかわからなくて、混乱しました。 その趣旨が見えず、正直、「うっ」と思いました。 ただ、今後、こういうオンライン開催でのカンファレンスは増えていくだろうし、新しいあり方を受け入れなければいけないのかもしれない、と思ってもいました。 そんな時にちょうどよく声をかけてくれたのが岩切さんでした。 これまでイベントに参加する際は、単独での講演か、普段一緒に仕事しているチームメンバーと出ることが殆どでした。 今回はハッカーライフラボの皆さんと一緒に準備から当日運営までやらせていただきました。 前に進めるためにワイワイとできて良いチームだな、って思いました。 そこに混ぜてもらえて、大変感謝しています。

と、色々書きましたが、要するに楽しかったということです。

LTセッションの動画は、ハッカーライフラボのYoutubeチャネルで公開される予定ですので、ぜひともチャンネルの登録をよろしくお願いします。

www.youtube.com

*1:デブサミのおっかさんでもあり、翔泳社の中の人でもある